地元のワイン ヴィーノ・ロカーレ |
分厚いワインリストはエノテカの自慢である。
しかし、ランチやアペリティーヴォでは、特にワインリストを見ることなく口頭で注文するお客さんが多い。
私「ワインはどうしますか?」
客「“ヴィーノ・ロカーレ” はありますか?」
ドイツやベルギーなど外国人観光客が英語での会話の中、わざわざイタリア語「ヴィーノ・ロカーレ」を用いて聞いてくる。ヴィーノ・ロカーレは「地元のワイン」という意味で、このパターンでは手頃な価格であるのも期待される。ベルガモの場合はValcalepio DocやIGT Bergamascoになり、一般的にはそれらを出すのが普通なのだが…。
しかし、在庫を動かしたいワインがある時、私たちソムリエの「地元」のくくりは隣のブレーシャ、更にはロンバルディア州全域にぐんと広がる。手軽な価格帯なので、Terre di Franciacorta Rosso/Bianco(現在はCurtefranca)、Oltrepò Pavese Bonarda/Riesling/IGT あたりだ。
ワインをテーブルに持っていく。
客「ヴィーノ・ロカーレ?」
私「ベルガモではないですが、ここから近いです。Va bene?」
客「Va bene!」
ワインに詳しくないアルバイトの子がトスカーナ産を持って行こうとして、「それ遠すぎでしょ」と突っ込むことも。もちろん、どこのワインであれ、美味しくてお客さんが喜んで飲んでくれるのが一番なんですよ!
外国人観光客でこんな賑わいを見せていたチッタ・アルタ。
コロナ禍の苦境を乗り越えて、早く元の姿を見せてほしいと心から願っています。